蔵元 稲田本舗【新米蔵人の奮闘記】

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本年も一年間大変お世話になりました。
おかげさまで造りの方は、何とか無事大晦日を迎えることができました。
年明けからはいよいよ大吟醸の仕込み。
本格的に忙しくなっていくでしょうが、来年もどうぞよろしくお願いいたします。
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朝6時、軽く40度を超えている麹を涼しい部屋へ運び出し、高温になり疲れている麹を休ませてやります。
これを出麹と呼びます。
乾燥した涼しく暗い部屋の中で麹は薄く広げられ、1日ゆっくり休むことで元気を取り戻す事でしょう。
今回の麹は、仕込み3本目の添え麹に使用されます。出麹枯らし1


麹仕舞仕事後温度調整1
前回までアップした酒母はその後順調に経過が進み、もろみ1本目と2本目のもろみ仕込みに使用されました。それらのもろみは留仕込みを終え、現在もろみ3本目の仕込み中です。
もろみ仕込作業や後に控えているもろみ仕込み用の酒母造り、更に後に来る搾りの用意とだんだんと仕事が増え、作業は忙しくなってきました。

蔵作業の中で朝一番の仕事は、前夜に最後のかき混ぜ作業(仕舞仕事)を終えた麹の搬出作業(出麹)です。
麹とはそもそもカビの一種で、増殖と共に発熱を伴います。
麹も活発になってくるとその発熱の勢いが激しくなり、頻繁にかき混ぜて温度上昇を抑えてやらないと、熱を持ちすぎて弱ってしまいます。
それらの作業は朝晩に関係なく行うもので、朝一番の出麹まで常に気を配ってやらなければなりません。

写真は夜中2時。かき混ぜ作業で44度近くまで温度が上がっていたので蓋の布の隙間に竹の棒をかませて通気を良くしてやりました。

酒母もそろそろ出来上がってきました。
酒母はほぼ毎日ろ過をして液体を採り、比重(水と比較した重さ)と酸度を測ります。
仕込み始めは糖化が進むので比重は大きくなり、酵母が増殖してアルコールを生成するようになると比重はだんだん小さくなります。
ある程度比重が小さくなった時点で酵母のアルコール生成を止め(アルコールにより酵母が弱ってしまうので)、本仕込を行うまで冷却して保持する必要があります。この時期を「もと分け」といいます。以前は酒母を仕込んでいるタンクから酒母を出し、小分けにして冷やしていたのでそう呼ぶのだそうです。「もと分け」を行った酒母は本仕込みまで置くのでその期間を「枯らし」と呼びます。

写真は「枯らし」に入った酒母です。
泡もほぼ落ちて、甘酸っぱくややアルコールの香りがします。

枯らし



昨日の続きです。
「速譲」とは仕込み時に乳酸を添加した状態から仕込む方法です。その前までは乳酸菌による乳酸生成を行う「生もと」や「山廃もと」と呼ばれる仕込みが行われてきました。「速譲」の場合、仕込み時に乳酸を添加するので雑菌繁殖の恐れが少なく、仕込み期間が短縮できる等の利点があります。また酒質も生もと等に比べて軽くなると言われています。各蔵ではこれらの仕込み方法を使い分けられていますが、これは各蔵の目指す酒質によると思います。

さて、暖気を入れた酒母は次第に泡が出てきます。
少し表面が膨れ、泡が立ったきた状態を「膨れ」、
「膨れ」状態からさらに進むと「湧き付き」になります。
こうなると酵母が盛んに繁殖し、酒母もお酒らしい香りに包まれます。(写真)

湧き付き




酒母造りの続きです。
仕込み後、2日間かけて冷却し糖化を進めながら雑菌の繁殖を抑えます。
またのちの本仕込での低温発酵に耐えうる強い酵母を増殖させる事も考慮に入れます。

その冷却した酒母を今度は次第に暖めて酵母の増殖を促します。
この操作を暖気といいます。(写真)
タンクの中にお湯の入った樽を入れ、一日約2時間半程度暖めます。
この暖気ではいきなり温度を上げるのではなく、一日で約3℃上げた後に冷却して2℃下げるというように段階的に温度を上げ、糖化と酵母の繁殖の両方が進むようにします。
この操作を5日間程度行うと酵母が繁殖して泡が立ってきます。
そうすると酒母造りも後半に入ります。

書き忘れていましたが、酒母は普通速譲です。
「速譲」の詳しいことはまた後日ということで・・・

暖気


清酒は米と米麹から造られますが(醸造用アルコール添加も有り)、その過程ではアルコールを造る酵母と呼ばれる菌を多く培養する必要があります。但し開放型の発酵なので、他の菌も増殖する可能性もあります。
そこで大きな仕込(本仕込)を行う前段階として、仕込総米の6~7%の小さな仕込を行います。
これが酒母(しゅぼ)です。酒母は「もと」とも言い、清酒製造では重要な工程の一つです。
酒母ではアルコールを造る酵母のみを大量に培養し、かつ他の菌が繁殖しないような条件(乳酸でpHを下げる)にもっていくことが求められます。

昨日、その酒母仕込みを行いました。
仕込時の温度は20℃前後で、半日ほどおき、冷却と糖化を兼ねて「汲み掛け」という作業を行います。(写真)「汲み掛け」はタンク中心部に円筒形の筒を入れ、そこの蒸米を除いて液体部分とし、液体が溜まったら回りにかけていく作業です。この操作を約2日間行い、酒母の温度を6℃まで下げます。

DSC00001.jpg

今日は、地元米子市車尾にある貴布禰神社にお酒を持ち込み、祈祷をしてしてもらいました。
貴布禰神社は、京都鞍馬の有名な貴船神社を本社とし、昔の車尾・皆生・上福原・中島の4か村(現在は米子市)を氏子とする由緒ある神社です。
今日祈祷してもらったお酒は、本醸造酒と金箔入り純米吟醸酒720ml 約600本で、開運厄除家内安全と商売繁盛を願った祈祷酒として年末年始に限定販売致します。
ほぼ予約済みとなっていますが、ご希望の方はinfo@inata.co.jp(稲田本店)までメールいただくか、TEL0859-32-5522(車尾 細田酒店)までお問い合わせください。
20071208171116.jpg


一昨日麹室へ引き込んだ蒸米は、約2日かけて麹として完成です。
40度を超えるほど熱をもった出来たての麹は、寒い部屋で1日休ませてから酒母仕込みに使用します。
写真は、出来上がった麹。
分かりにくいですが、全体に麹菌がまわり、ギュッと握ると跳ね返るような弾力があります。
20071208161937.jpg


いよいよ清酒仕込みの始まりです。
今朝は、清酒仕込みの第1歩、酒母用の麹を作るために米の蒸しを行いました。
とはいっても、蒸米キロ数は70kg。 数量的にはまだまだ少ないので作業にも余裕があります。
蒸したてでアツアツの蒸米は、ムシロの上に広げ、手でかき混ぜながら人肌よりやや低い程度まで冷ましてやります。
すぐに麹室へ引き込み、33度程度になったところで種麹を振りかけ、お米一粒一粒に麹菌がまわる様に混ぜたところで、それ以上冷めないように大きな山にして、布でくるんで一段落。
夜までその状態で保温してやります。20071205190755.jpg


忙しい日々が続いていますが、気が付けばもう師走。
こんな感じで師走もあっという間に過ぎるのでしょうか…。

さて、寒い夜にはやはりお酒ですよね。
本格的なお酒のシーズンを迎え、ここで「さけ」の語源について考えたいと思います。
早乙女(田植えをする乙女)・早苗(稲の苗)・皐月(5月、稲作の次期)と言う風に、稲作の事を昔は「さ」と言う言葉で表していました。
ここまで書くとピンと来られる方も多いかと思いますが、酒の「さ」は稲作すなわちお米の事を表しているんですね。
そして「け」とは、化けるの「け」なんだそうです。
お米が化けて美味しい飲み物に変げる→「さ」の「け」→「さけ」、なるほど!
日本古来の飲み物でもある日本酒(おさけ)、言葉の語源も日本人らしい発想から来た意味のあるものですね。


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